マーイケ・カーネ滞在期間:2026.09.02-2026.09.29 |

Photo by Siem van Woerkom
'Anpanman' personal illustration
レジデンス・プラン
私の制作活動では、一貫して人と彼らが暮らす空間との関係性に関心を寄せてきました。建築、インテリア、風景、そして文化的価値観が、日々の体験をどのように形づくるのかを探求しています。私は東京を象徴的な観光名所から捉えるのではなく、むしろ日常の中にある静かな瞬間に惹かれています。小さな商店街の路地、カフェ、待合室、銭湯、コンビニ、公園、駅、アパートのバルコニー、庭園、そして屋内と屋外のあいだに存在する接続的な空間などに関心があります。
特に興味を抱いているのは、日本文化が相反する要素の間にどのように調和を生み出しているかという点です。伝統とテクノロジー、個人と共同体、都市と自然、内と外。こうした関係性は長年にわたり私の制作に影響を与えてきました。そして東京は、それらが極めて大きな規模で共存する特別な環境だと考えています。
レジデンス期間中は、スケッチ、写真撮影、メモ、そして絵画制作を通して視覚的な観察を蓄積していきます。特に、日本の概念である「和(わ)」―調和、均衡、社会的な結びつき―に焦点を当てたいと考えています。都市部と住宅地の双方で時間を過ごし、人々が互いに、そして周囲の環境とどのように共存しているのかを示す、さりげない仕草や生活のリズム、空間的な関係性に注目する予定です。
レジデンスで得られた調査成果や素材は、新たな作品シリーズの基盤となり、今後の絵画やイラストレーション作品の制作へと発展していきます。このプロセスを通じて、一見するとありふれた場所が持つ物語性や、文化的価値観が空間や雰囲気を通してどのように可視化されるのかも探求したいと考えています。
レジデンス期間中に制作する最初の作品群は、東京の日常風景から着想を得る予定です。そこでは、人の姿が直接描かれていなくても、その存在が感じられる瞬間を表現します。例えば、店先に置かれた自転車、風に揺れる洗濯物、雨上がりの空いたベンチ、建物の隙間にある小さな庭、あるいは都市を見渡す静かな室内空間などです。こうした情景を通じて、空間、色彩、構図、そして雰囲気によって「調和」がどのように表現できるのかを探究したいと考えています。
アーティスト・プロフィール
1) 「HCCIE Cultural & Creative Industry Expo」グループ展参加(杭州・中国)、2025年
2) Agent Pekka 所属アーティスト
3) セント・ヨースト美術大学(オランダ・ブレダ)、ビジュアルデザイン学士課程修了
主な活動地域:ロッテルダム(オランダ)
使用メディウム:イラストレーション、ビジュアルアーツ
ローマ字表記:Maaike Canne
マーイケ・カーネは、オランダ・ロッテルダムを拠点に活動するイラストレーター兼ビジュアルアーティストです。鮮やかな色彩を特徴とする作品を通じて、日常的な空間を映画のワンシーンのような静けさとともに再構築しています。
モダニズム建築、インテリアデザイン、自然界からインスピレーションを受けながら、彼女は内と外の関係性を探求しています。風景へと開かれた部屋や、周囲の環境と溶け合う建築物などを描き、グラフィックな大胆さと、どこか懐かしさを感じさせる穏やかな温もりとの均衡を生み出しています。
彼女の描く作品には、まるで誰かがその場を立ち去った直後のような空気感があります。その意図的な「不在」が作品の魅力となり、鑑賞者に物語の続きを想像させます。デジタルイラストレーション、ガッシュ、水彩、油彩、大型壁画など多様な媒体を用いながら、エディトリアル制作、パッケージデザイン、ブランドキャンペーンなど幅広い分野で活動しています。