ジュリー・フォルグ滞在期間:2012.06.08-2012.06.30 |
プロフィール
風景写真を、文化や歴史を語るランドスケープとしてとらえて観るものに提示するジュリー・フォルグ。
彼女の作品は沈黙する自然を撮る行為によってそこで紡がれた文化や物語を呼び起こし、文化と自然の対話の軌跡を描こうとする試みです。
彼女自身をとりまく自然環境は、写真家として鑑賞する対象でありまた生物学的な意味での生息環境でもあるという二重の重要な意味をはらんでいます。
人間の営みによって自然が変容され、時には傷つけられてきた様を見つめ、我々の「文化」とは何かという主題に向き合います。
モンクトン大学卒業後、コンコルディア大学で美術学修士号を取得。2002年から2005までケベック大学モントリオール校にて博士課程研究プログラムに参加。以降、オンタリオ州、ケベック州、ニューブランズウィック州、フランス、東京を経て現在はニューブランズウィック州モンクトンに在住。
プロジェクト
自然と文化が融合し人々にとっての「ランドスケープ」へと昇華する臨界点に焦点をあてこれまでカナダの風景を撮影してきたジュリーが日本へと場所を写し新たな表現の獲得に挑戦します。過去に旅行者として日本を訪れた際、外部者として風景を見つめている自身の視点への気づきを発端に、カナダ/日本の風景写真を並列的に制作することを決めました。文化や歴史という文脈の中に置かれた風景を捉えるこれまでの制作テーマを異国で実践し、彼女の制作テーマである「自然+文化=ランドスケープ」という方程式の普遍性を探ります。
3331での滞在制作期間中、人為によって変容を遂げてきた日本の風景はどこかというアンケート調査を行いそれらの場所を撮影します。カナダ人である彼女が日本人が推薦する日本の風景を撮影し、二つの文化が融合する新しいランドスケープを生み出します。